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チコリは軟白栽培される場合と、普通に栽培される場合があります。花はエディブルフラワーとして、葉はサラダに、根はノンカフェインコーヒーとして、様々に楽しめます。
チコリの特徴
名前 | チコリ、チコリー、キクニガナ |
英語名 | Chicory |
学名 | Cichorium intybus |
科名 | キク科 |
分類 | 一年草、二年草、多年草 |
耐寒性 | 耐寒性 |
草丈 | 120-150cm |
原産地 | ヨーロッパ、西アジア |
出まわり時期 | 9-10月 |
使える部分 | 葉・茎・花・根 |
殖やし方 | 種まき |
チコリの育て方基本
◆適した場所
高温多湿を避けた、風通しがいい、比較的涼しい場所を好みます。夏の直射日光があたるところは避けます。
日当たり | 日なた~半日陰。風通しがいい場所。 |
水はけ | 水はけがよい場所。 |
気温 | 15~25℃ |
土 | 肥沃なアルカリ性の土を好む。 |
肥料 | 元肥に緩効性肥料を与える。追肥に緩効性肥料を月2回ほど与える。軟白栽培は肥料不要。 |
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軟白栽培と普通の栽培
軟白栽培とは、日光が当たらないようにして育てることを言います。普通の栽培では、チコリは赤い葉ですが、軟白栽培をすると、グリーンになります。そうすることで、栄養価は落ちますが、苦味が減り、柔らかくなり、食べやすくなります。
毎日のケア
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。
ワンポイント
丈が伸びてきたら支柱を立てます。
1年のスケジュールと育て方のポイント
種まきのポイント
こぼれ種からも育つので、種から簡単に育てられます。根が深く伸びるので、地植えの場合はよく耕し、鉢の場合は深めの鉢を用意します。植え替えが苦手なので、直まきし、適宜間引きます。地植えの場合は株間を30cm程とります。
植え付けのポイント(軟白栽培)
軟白栽培の場合は、9月頃に根を堀り上げで、根元から3cm位のところで葉をカットします。そして腐葉土を混ぜた深めの容器に植え付けます。日が当たらないように、黒いビニールかダンボールで覆い、10~18℃の温度で管理します。風通しは悪くならないように気をつけます。一カ月ほどで軟白葉が出てきます。
収穫のポイント
若葉は生えてきたら、随時収穫可能です。
花が咲いたら
花が咲いたら、花を収穫し、そのままエディブルフラワーとして食べることが可能です。種を収穫するときは、そのまま咲かせます。
チコリの使い方
チコリは葉をサラダなどの料理に使用することが主流です。根を乾燥させ、ローストすると、ノンカフェインのコーヒーとして楽しめます。ハーブティーは、デトックスにいいです。
■さらに詳しく
日当たり
チコリは日なたから半日陰で栽培するとよいです。春や秋など、温かい日照りの時期は日なたで育て、夏はきつすぎる直射日光をさけるため半日陰で育てるといいでしょう。
またエディブルフラワーであるため、日当たり量を調整することでチコリの味を変えることができます。
軟白栽培と呼ばれる栽培方法は、日に当てないで育てることをいいます。
チコリは緑の葉や赤の葉が通常ですが、軟白栽培をすることで薄黄色になります。
日光量が少ないので栄養価は低くなりますが、すっきりとした味わいで食感が柔らかくなり、食べやすくなります。
料理に使いたいのであれば、軟白栽培で育ててみるといいかもしれません。
鉢植えなら置き場所を変えると日光が調整できますが、地植えの場合だと移動は難しいので、遮光板や寒冷紗を施すことで日光を調節してみるといいでしょう。
置き場所
高温多湿を嫌うため、風通しのよい涼しい環境で栽培させるとベストです。
どう育てるかによって鉢の置き場所は変わるので、観賞用なら通常通りに日なたでもいいですが、料理に使うなら軟白栽培で育ててもいいでしょう。
いずれにしても、基本は風通しのよい涼しい場所に置き、日光量は好みで調節しましょう。
水やり
夏
水をやりすぎると蒸れて株がだめになってしまうため、鉢植えならば土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、地植えなら自然の降雨に任せましょう。
梅雨の時期は多湿になりやすいので、あげすぎないように土の乾き具合をいつもチェックしておくとよいでしょう。
庭植えならば、土壌改善で水はけのよくなるようにしましょう。
冬
冬も同じように土の表面が乾いたら水をあげましょう。
肥料・追肥
植え付けた時に元肥として緩効性の肥料を施しましょう。追肥も同じく緩効性の肥料を月1、2回ほど与えます。
チコリの葉を野菜として利用するため、軟白栽培を行うのであれば、肥料は不必要になります。
用土
栄養となる有機物をたくさん含んだ肥沃で水はけの良い、アルカリ性の土地がチコリには好ましいです。
日本の土は弱酸性寄りなので、チコリを地植えするならば土壌改善が必要になります。
石灰(アルカリ資材や苦土石灰)をまくことで土壌がアルカリ性に傾きます。
植え付けしたい2週間前までに、石灰を1㎡あたり100~200gほど土に混ぜておきましょう。
また石灰をまくことで地面から雑草が生えにくくなるため、後のお世話が楽になってきます。
あらかじめ腐葉土や堆肥など混ぜ込んでおくと、よく肥えた土になります。
鉢植えならば、赤土、腐葉土を7:3の割合にして、水はけをよくするためパーライトを加えてもよいでしょう。
植え替え・植え付け・種蒔
種まきをするなら9月が最適になります。チコリの種は1粒が小さいため、1つのポットに数粒ずつまくといいでしょう。
覆土をして、それから水をあげます。発芽して株が育ってきたら、1つずつポットに苗を分けていきます。
植え付けは10月が適正です。チコリは根を深く張るため、できれば30cm以上の深さまで穴を掘ったほうがいいです。
鉢植えも同じく、最初から深鉢で育てるといいでしょう。
軟白栽培で育てるならば9月頃に根を掘り上げて、根元3cmぐらいのところで切り、新しい鉢に植え替えします。
日が当たらない涼しい場所で管理すると、1ヶ月後に葉が生えてきます。
増やし方
種まきで増やしていけます。育苗ポットで株を育てて、その後に鉢植えや地植えで定植できます。
やり方として、育苗ポットに種まき用の培養土を入れます。種を数粒まき、発芽したら弱い芽は間引いてください。
本葉が2、3枚でてきたら元気な株を選び、他を間引きます。草が生えてきたら、プランターや庭に植え替えましょう。
病気・害虫
春と秋の時期に発症しやすい、うどんこ病に罹りやすいです。またアブラムシの害虫被害にも遭いやすいので気をつけましょう。
アブラムシは、植物の栄養を吸汁する厄介な害虫ですが、同時に吸汁の際に保菌している細菌やウィルスの感染を併発してしまいます。
見つけ次第殺虫剤を散布するとよいでしょう。
またエディブルフラワーのため、無農薬栽培したいのであれば、天敵であるてんとう虫が寄ってきやすいハーブを植えるか、お酢を薄めた水を霧水して対策すると防ぐことができます。
薬用や用途
イヌリンという水溶性の食物繊維がチコリには多く含まれています。
食物繊維は腸の運動を活発にするだけでなく、体外に排出するデトックス機能も高めてくれます。
体内に溜まった余分な水分や老廃物を押し出してくれるので、むくみの解消や便秘改善に効果的なハーブになります。
またチコリには消炎作用があり、炎症などを抑える効果もあります。
脾臓や腎臓など、排出器官の臓器を浄化してくれるので、インナービューティーが見込めます。
古代ギリシャ人の医者であるガレノスは、チコリのことを「肝臓の友達」と呼んだそうです。
肝機能を高め、デトックス効果を促してくれるので肝臓を労りたいときに摂取するといいでしょう。
それだけでなく、イヌリンは別名天然のインスリンと呼ばれており、糖尿病の改善にも一役買っています。
フランスではチコリの根をローストしたチコリコーヒーが人気で、ダイエットコーヒーとして飲まれています。
美容に興味のある方はぜひ生活に取り入れてもいいでしょう。
利用部分
葉っぱ、花、根とチコリはすべての部分が食用できます。
主にヨーロッパのフランスでチコリが愛用され、チコリを使った手作りオードブルやダイエット効果のあるノンカフェインのチコリコーヒーなどが人気です。
エディブルフラワーなので、飾るだけで料理を楽しく彩ってくれます。
サラダだけでなく、グラタンや炒め物、天ぷらにしても楽しめるし、生のままでも食べられるので、ディップにしてもパーティー感覚で楽しめることでしょう。
ただし、生のチコリは苦味が強いので、軟白栽培したものか、加熱しないかぎり苦味がやわらぐことはありません。
苦味が苦手な人は、熱を加えたる料理にチコリを使ってみましょう。
管理温度
高温多湿を嫌うので、夏場の温度管理には気をつけなければいけません。
また軟白栽培をする際、気温は15度から18度までと、日の当たらない涼しい場所で管理しなければなりません。
通常であれば最高25度までが適正温度になります。
種類・品種
チコリはキク科の多年草になります。
別名サッカリーやキクニナガ、アンディーブとも呼ばれていて、ヨーロッパでは特にアンディーブの名称でマルシェなどに売られています。
淡い黄色の葉先をしたチコリに、赤い葉をしたチコリなど種類は豊富です。
「トレビーゾ・タルティーボ」や「トレビーゾ・プレコーチェ」など、見た目は赤チコリですが、親戚である「トレビス」というチコリの仲間に分類されることもあります。
プンタレッラは、チコリの仲間で別名「アスパラガスチコリ」とも呼ばれ、茹でた味がアスパラガスに似てることからその名がつきました。
収穫
収穫時期はどの部分かによって異なります。葉や茎は3月から5月の間で若葉が生えてきたタイミングで随時収穫します。
花であれば5月から9月までと、長いスパンで収穫が見込めます。
種を採取したいのであれば、花が咲いたら収穫せずにそのままにしておきます。花が枯れた後に種が取れます。
また根であれば12月から翌年の1月の冬の時期に収穫ができます。
ここで根を収穫するのであれば、2年目以降のものを掘り上げた方がよいでしょう。
1年待った方が、より太った根を採取することができるため自家製のチコリコーヒーを大いに楽しむことができるかもしれません。
チコリは日持ちしないため、収穫が終わればすぐにラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。